バラ物語 Happiness

 

Peace(平和)の後にHappiness(幸せ)が来た


ハピネス Happiness 

[ 作出年 ] 1949年

[ 作出国 ] フランス

[ 原名 ] ルージュメイアン  

 

1960年代まで切花生産されていた赤バラの代表品種です

 

ハピネス([原名] ルージュメイアン)は、1937年、フランスの有名な育種家、メイアンによって作出されましたが、戦時中はパオリーノ家 *1 によって、ひっそりとフランスのキャプタンティーブで育てられていました。

*1 メイアン家と公私共にパートナーとなった一族

戦争が終結し、1949年から市場に出ることになっていましたが、メイアンの友人であり、カンヌの建築家・造園家であったオスカー・シュナイダーが、メイアンにあるニュースを告げました。

「メルシー・トレイン」 *2 のひとつとしてこの赤バラが選ばれ、フランス大統領夫人のオーリオルよりトルーマン大統領に贈られることになったというのです。

*2 フランスがドイツ占領から解放される助けをしてくれたアメリカに対し、感謝の意を伝えるために贈ったプレゼント

その夏、長い旅路に出るためのセレモニーが行われました。カンヌの人々の見守る中、1ダースのルージュメイアンが切られ、華やかに飛行機に乗りました。そしてワシントンで正式な出迎えを受けたのです。

祝福を受けたバラはすべてホワイトハウスへ運ばれ、トルーマン大統領夫人の腕におさまったそうです。

そして、アメリカ・ウィメンズ・ガーデンクラブ連盟によって 「ハピネス」 と命名されました。

こうして「ハピネス」 は 「ピース」 (1945年、戦争のない世界を願って名付けられたと言われている20世紀を代表するバラ)に次いで、希望のメッセージを伝えるバラとなったのです。

その後アメリカから日本に渡り、1960年代まで切花生産されていた赤バラの代表品種となりました。

 

セレモニーの様子

Photo: MEILLAND INTERNATIONAL

メイアン社情報より(2017.4 京成バラ園芸まとめ)